Chrome互換のChromiumをユーザー「spot」で動作させる!
root としてログインすることは、Puppy Linuxの全てのファイルへの完全なアクセスを許します。非root ログインユーザーは 、(アドミニストレータ(システム管理者)によって各々のユーザに対して設定される)制限されたアクセスが可能になっています。 Puppy Linuxは、大部分の他のリナックスディストリビューションのような、ルートログインに加えて幾人もの非ルートのログインアカウントが存在するマルチユーザシステム ではありません。
その一方でパピー(Puppy) のシステムは、ルート(root)に加えて2つの、非ルートログインアカウントを持っており、それぞれ、 spot と fido(ファイドゥ:(訳注、犬によく付けられる名前))と名付けられています。
ただ、DebianDogのようにマルチユーザーにできるPuppy Linuxも存在します。このことはPuppy LinuxをよりUbuntuやDebianなどのディストリビューションに近づけようという考えに基づいているような気がします。
ユーザー spotの必要性!
Puppy Linuxは、「フレンドリィ」なローカル環境を想定しています。それゆえ、Puppy Linuxは多くの人たちが使いやすいと考え、実際ユーザーもたくさんいます。
ただ、いつも 「root」で使用することで、懸念がないわけではではありません。その主な脅威は、Puppy Linuxでオンライン状態の時にネットワークのポートを介して コンピュータにアクセスする権限を誰か得た時が想定されます。
しかし、それはPuppy Linuxでは、殆ど起りそうもないことです。
それは、ファイアウォールの機能と(ネットワーク機能が無効にされている)最低限のデーモンプロセスしか働いてないことが大きな理由になっています。
それでも、セキュリティーは高いにこしたことはありません。
上にかいた理由により、Puppy Linuxにはユーザー「spot」が用意されています。
僕も知らなかったのですが、これは犬の古典的な名前の一つなのだそうです。
しかし、「spot」 は、通常のユーザではなく、「spot」 というユーザとしてログインすることはありません。
いつものようにPuppy Linuxを root ユーザーとして通常の方法でシステムをブートアップします。
しかし、インターネットアプリケーションを 制限ユーザ spot として走らせることを選択することができるようになっています。
これは、ローカルシステムへの自由なアクセス権と、root としての便益を持ち、 ファイルやディレクトリの所有権やパーミッションに煩わされることなく、 全てのハードウェアへのアクセスにおいて一切制限がないことを意味します。
例えば SeaMonkey (browser, Composer, mail&news, IRC-chat suite)やChromiumをユーザー 「spot」 として実行させることができます。
もちろん、ユーザー 「spot」 のための、ホームディレクトリは、/root/spot であり、そして SeaMonkeyやChromium は、(通常)/root/spot 内部にあるファイルを、編集/生成/書き込み することが出来るだけとなります。
ユーザー「spot」 を用いることで、両方の世界でのベストなものを手に入れます。それは、ローカルシステムにおける自由と、インターネットアクセスのための制限ユーザの両方のメリットです。
Chromiumを簡単にユーザー「spot」で動作させる!
実は、https://sourceforge.net/projects/lxpup/files/Other/chromium/ 公開されているchromium_62.0.3202.62+pepper_27.0.0.170_lx_spot.sfs
は、複雑な手続きをしなくても、インストールと同時に、ユーザー「spot」で動作するように設計されています。
Puppy Linuxで Chromiumをインストールした方なら誰しも経験すると思いますが、現在の Chromium はそのままでは、root で動作しません。
root で動作させようとすると、「--no -sandbox」のフラッグをつけないと起動できないメッセージが表示されます。
また、フラッグをつけて、起動したとしても下記の図のように「セキュリティーや安全性が損なわれる」とのメッセージがChromium上に毎回表示されます。
これはあまり気持ちの良いものではありません。
しかし、先ほど紹介した
chromium_62.0.3202.62+pepper_27.0.0.170_lx_spot.sfs
は。ユーザー「spot」で動作しているので、下記のようになります。
ただ、気をつけないといけないのは、ユーザー「spot」で動作しているので、当たり前ですが「root」のフォルダには、ダウンロードして保存はできません。
ホームディレクトリは、「/root/spot」 になっているのに注意してください。
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補足です。
返信削除ここで紹介されている chromium の sfs は、puppy のどのバージョンでも動くわけではありません。また、動作対象の puppy でも、一部のバージョンではライブラリをアップデートしたり、リンクを作成したりする必要があります。詳しくは、puppy 本家フォーラムの記事参照
http://murga-linux.com/puppy/viewtopic.php?t=81351&start=375